「ミライバ保育 紹介料」と調べる人が知りたいのは、自分にお金がかかるのかだろう。結論を先に書くと、求職者は紹介料を払わない。
ただしその理由は、サービスの厚意ではない。法律がそう定めているからである。この記事では、その根拠を条文と公式の記載で確かめた。
- 求職者が紹介料を払わない法的な根拠(職業安定法の原文)
- ミライバ保育の公式サイト(求職者から手数料を取ることは、職安法32条の3が原則禁止)
- 施設側が払う紹介手数料について、規約で確認できたことと、できなかったこと
- 成功報酬型という仕組みが、転職する側に与える影響
結論:求職者が無料なのは、法律の原則だから
有料職業紹介事業では、求職者から手数料を受けることが職業安定法32条の3で原則として禁止されている。ミライバ保育も、公式FAQで求職者の費用を無料とし、利用規約でも求職者から手数料を受けないとしている(2026年9月21日確認)。
つまり無料であることは、このサービス固有の特徴ではない。確かめるべきは「無料かどうか」より、その無料がどんな決まりに支えられているかである。
- e-Gov法令検索の職業安定法と職業安定法施行規則(2026年4月1日施行の現行版)
- ミライバ保育の公式ページ6件(公式トップ、よくある質問、LP、「ミライバ保育とは」、LPのQ&A、サービス利用規約)
運営会社や有料職業紹介の許可が気になる場合は、運営会社と許可を公式の記載で確かめた結果を先に読むと早い。この記事は費用の制度だけを扱い、次の4つはやらない。
- 施設に実際に適用される手数料の率を推測すること(公式で確認できたのは上限まで)
- ほかの保育士転職サービスと比べて優劣をつけること
- 税務・労務について個別の判断をすること
- 派遣で働く場合の費用の仕組みを説明すること
職業安定法32条の3は、求職者からの手数料を原則として禁止している
この記事の中心は職業安定法32条の3である。解説サイトから引かず、e-Gov法令検索で職業安定法の原文を開いた(2026年9月21日確認)。
条文の原文:求職者からは手数料を徴収してはならない
32条の3は、2つの項で手数料を縛っている。第1項は、有料職業紹介事業者が受け取れる手数料を、省令で定めた種類・額か、届け出た手数料表に基づくものに限っている。
そのうえで第2項が、求職者について次のように定めている。
有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。
ただし、手数料を求職者から徴収することが当該求職者の利益のために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、同項各号に掲げる場合に限り、手数料を徴収することができる。
出典:e-Gov法令検索「職業安定法」第32条の3第2項(2026年9月21日確認)
本文は「徴収してはならない」、ただし書は「省令で定めるときは」である。だから正確な言い方は原則として禁止であり、例外が1つもないとは書けない。
例外は省令が挙げる5つの職業で、保育士の名前はない
ただし書の「省令で定めるとき」は、e-Gov法令検索の職業安定法施行規則20条2項に書かれている(2026年9月21日確認)。挙げられている職業は次の5つである。
- 芸能家
- モデル
- 科学技術者
- 経営管理者
- 熟練技能者
後ろの3つは、紹介で就いた職業の賃金が厚生労働大臣の定める額を超える場合に限られる。また5つとも、徴収できる手数料の額に上限がある。
5つの中に、保育士という職業名は入っていない。個別の職務が例外に当たるかの判断はしないが、保育士の求職者は原則の側にいると読める。
公式の6ページを開き、3ページで求職者の無料を確認した
次に、ミライバ保育の公式ページで求職者の費用がどう書かれているかを確かめた。開いたのは公式からたどれる6ページで、ページ単位で記載の有無を数えた。
| 開いたページ | 求職者の費用についての記載 |
|---|---|
| ミライバ保育の公式サイト(トップページ) | 本文では確認できなかった |
| ミライバ保育の「よくある質問」 | 「会員登録は無料ですか?」に「はい、完全無料です」と回答 |
| ミライバ保育の公式LP | 画面の本文では確認できなかった |
| 公式LPの「ミライバ保育とは」 | 「だれでも無料で簡単にWEBから登録でき」と記載 |
| 公式LPの「Q&A」 | 掲載3問に、費用を扱う質問は確認できなかった |
| 株式会社COMPASSの「サービス利用規約」第29条 | 「求職者様から手数料を申し受けることは一切ございません」 |
記載を確認できたのは6ページ中3ページ、確認できなかったのは3ページで、3+3=6になる。LPは本文に見当たらず、リンク先の「ミライバ保育とは」で確認できた。
いちばん具体的なのはFAQで、無料の範囲まで書いている。
はい、完全無料です。登録料・月額料金は一切かかりません。求人への応募やエージェントへの相談など、すべてのサービスを無料でご利用いただけます。
出典:ミライバ保育「よくある質問」(2026年9月21日確認)
求人ページから直接応募する場合も、求職者は払わない
ミライバ保育には、担当者が求人を紹介するルートと、求人ページから施設へ直接応募するルートがある。規約でも章が分かれている。
- 職業紹介(担当者が求人を紹介する):規約第2章/職業安定法32条の3
- 求人広告(求人ページから施設に直接応募する):規約第3章/関わりうる条文は職業安定法43条の3
43条の3は、求職者の情報を集めて求人情報を提供する事業者のうち届出をした者(特定募集情報等提供事業者)に、応募した人から報酬を受けることを禁じている。
ミライバ保育の直接応募がこの届出の対象かは、公表情報では確認できなかった。ただ、先に引いたFAQは求人への応募も含めて無料としている。
公式の「無料」は、制度の原則どおりであることの確認になる
ここまでをまとめると、求職者の無料は有料職業紹介という制度の原則である。許可を受けた事業者であれば、どこも同じ原則の下にある。
だから先に見るべきは、有料職業紹介の許可を受けているかのほうである。許可の状況は、厚生労働省の人材サービス総合サイトで検索できる。
- 公式が「無料」と書いていることは、法律の原則と矛盾していないという確認になる
- 無料であることは、登録する理由にも、避ける理由にもならない
では誰が費用を払っているのか:採用した施設側である
求職者が払わないなら、紹介会社の収入はどこから来るのか。人材紹介は一般に、採用が決まったときに施設側が手数料を払う成功報酬型で、率はサービスごとに異なる。
職業紹介では、採用が決まったあとに施設が紹介手数料を払う
ミライバ保育の規約第29条は、施設側の費用を次のように書いている(前段の求職者に関する一文は、前の章の表で引いた)。
利用者の就職の決定後、求人企業より、紹介手数料として、年間賃金の50%を限度とする額を申し受けます。なお実際に求人企業より申し受ける紹介手数料は、市況感その他の事情を考慮し決定した金額とします。
就業から退職までの期間に応じて、求人者に対する紹介手数料の返金制度を設けています。詳細に関しましては担当にお問い合わせください。
出典:株式会社COMPASS「サービス利用規約」第29条第1項後段・第2項(2026年6月19日改定版/2026年9月21日確認)
ここから読み取れる施設側の費用の定めは、次の4項目である。
- 払う時期は、利用者の就職が決まったあと
- 額の上限は、年間賃金の50%
- 実際の額は、市況感などの事情を考えて決める
- 働いた期間に応じて、施設への返金制度がある
読み違えやすいのは2つ目だ。50%は上限であって、実際の率ではない。規約自身が、実際の額は事情に応じて決めると書いている。
- 個々の施設に実際に適用される手数料の率や金額
- 返金制度の対象期間と、返金される割合(規約は「担当にお問い合わせください」としている)
別のサービスの数字や業界の目安を持ち込むと、このサービスの数字として読まれかねない。だからこの記事では、手数料の数字は規約にある上限しか載せていない。
直接応募のルートでも、費用がかかるのは施設側の話
求人広告のルートでも、費用の話は施設側に閉じている。規約と、公式FAQの採用担当者向けの欄は、掲載の費用について次の3点を挙げている(2026年9月21日確認)。
- 求人広告には、求人企業から対価を得て掲載するものが含まれる(規約第23条第4項)
- 現在は、掲載料・月額費用のかからない無料掲載プランを提供している(FAQ)
- 応募課金などの有料プランは今後の予定で任意とされ、移行は事前の案内と同意がある場合に限る(FAQ)
3点とも、施設と運営会社のあいだの取り決めである。応募する側の費用は3点のどれにも出てこない。
規約に手数料が書かれているのは、法律が明示を求めているからと読める
求職者向けの規約に施設側の手数料まで載っているのには、理由がある。職業安定法32条の13は、有料職業紹介事業者に、手数料に関する事項を求人者と求職者に明示するよう求めている。
第29条は、この明示にあたるものと読める。施設側の条件まで求職者が読めるのは制度の設計によるもので、紹介会社の収入源を自分で確かめられるということでもある。
紹介料の仕組みが、転職する側に与える影響
成功報酬型とは、採用が決まった時点で初めて報酬が発生する形のことだ。この形は、利用する側の体験にも影響する。ここでは人材紹介全般に共通する構造として3つを挙げる。
費用を払うのが施設側だから、紹介会社経由では出てきにくい求人がある
紹介手数料を払うのは、採用した施設である。そのため、手数料を払わない方針の施設の求人は、紹介会社を通しては出てきにくい構造がある。
裏を返すと、紹介会社から届く求人は、施設が手数料を払ってでも採用したい求人だとも読める。求人の出どころは、大きく分けて次の2つがある。
- 紹介会社を通す求人:採用が決まれば、施設が紹介手数料を払う前提で出ている
- 紹介会社を通さない求人:ハローワーク(公共職業安定所)や施設の採用ページなどに出る
どちらか一方だけを見ていると、求人全体を見たことにはならない。この構造は、紹介会社を使うかどうかとは別に覚えておきたい。
採用が決まるまで報酬が入らないから、連絡や提案は積極的になりやすい
紹介会社に報酬が入るのは、採用が決まったときだけである。そのため連絡や求人の提案は積極的になりやすい。これは制度の形から来るもので、担当者個人の姿勢とは別の話だ。
応募するかどうかは、求職者が決めてよい。ミライバ保育の規約第1条も、施設への紹介は利用者が応募に同意した場合に行うと定めている(2026年9月21日確認)。
求職者は払わないから、複数に登録しても負担は増えない
手数料を取らない原則は、どの有料職業紹介事業者にも同じく当てはまる。だから、複数の紹介サービスに登録しても、紹介された求人を断っても、求職者の費用の負担は増えない。
登録の手続きも、公式の「ミライバ保育とは」ページによるとWEBから行う形である(2026年9月21日確認)。登録したあとも、どの求人に応募するかは紹介を聞いてから選べる。
ミライバ保育の紹介料についてよくある質問
- ミライバ保育の利用に費用はかかる?
-
求職者に費用はかからない。公式FAQは会員登録を「完全無料」とし、利用規約の第29条も、求職者から手数料を受けないと規定している(2026年9月21日確認)。
- なぜ無料で使えるの?
-
職業安定法32条の3が、有料職業紹介事業者が求職者から手数料を取ることを原則として禁じているからだ。紹介会社の収入は、採用を決めた施設が払う紹介手数料である。
- 途中でお金を請求されることはある?
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条文は求職者からの手数料を原則として禁止し、例外は芸能家やモデルなど省令が挙げる5つの職業に限られる。ミライバ保育の規約も、求職者から手数料を受けないとしている。
もし費用を求められて判断に迷ったときは、都道府県労働局またはハローワークに確認してほしい。
- 複数の転職サービスに登録してもいい?
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費用の面での不利益はない。求職者から手数料を取らない原則は有料職業紹介事業者に共通するため、登録先を増やしても払う額はゼロのままである。
ただし、どの経路でどの施設に応募したかは、自分で控えておくと混乱しにくい。
- 施設側はいくら払っているの?
-
規約第29条が示しているのは、年間賃金の50%という上限と、事情を考えて額を決めるという方針までだ。個々の施設に適用される率は、公式では確認できなかった(2026年9月21日確認)。
施設への返金制度も、期間と割合は規約で「担当にお問い合わせください」とされており、数字までは確認できなかった。
まとめ:求職者の無料は法律の原則、費用は採用した施設が払う
ミライバ保育の紹介料について、条文と公式の記載で確かめたことは次の6つである。
- 求職者から手数料を取ることは、職業安定法で原則として禁じられている
- 例外は施行規則が挙げる5職業で、保育士という職業名は含まれていない
- 公式6ページのうち3ページで、求職者に費用がかからない旨を確認できた
- 施設側の手数料は規約に上限と返金制度の定めがあり、実際の率は確認できなかった
- 成功報酬型のため、紹介会社を通すと見えにくい求人がある
- 施設への紹介は、利用者が応募を承諾してから行うと規約に書かれている
制度の上では、求職者は費用を払わずに紹介を受けられる。そのうえで紹介会社を通さない経路の求人も並べて見ると、比べられる範囲が広がる。
無料という事実は、それだけでは使うかどうかの決め手にならない。仕組みを知ったうえで使い方を決めるための材料として、この記事を使ってほしい。
